近世日本知行制の研究
J ・F ・モリス著
従来、地方知行制は近世成立期の一問題として限定的に捉えるか、その存続性をもって近世社会成立過程の中で地方知行制が「形骸化」していくものと考えられてきた。本書は背景となる領主論に溯り、給人が領主か否かを仙台藩と南部藩を対象に具体的実証的に解明する。諸藩のうち地方知行制をとる藩が一割前後としても、石高では半分を超え全国に及んでいたことは注目に値する。近世封建社会の中で地方知行制が果した役割を正しく位置付け、給人がまぎれもなく封権領主たることを論ず。




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 安達宏昭・河西晃祐編 争いと人の移動(講座 東北の歴史 第一巻)


ISBN4-7924-0282-4 (1988.3) A5 判 上製本 350頁 本体5800円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。