阿波国上田美寿日記
清文堂史料叢書第107刊
棚橋久美子編


幕末期の嘉永5年から安政4年の6年間、阿波国の脇町に住んだ女性、上田美寿は丹念な日記を記した。彼女は残花と号し、その地ではかなり知られた俳人であった。彼女がまとめた随筆「いつまて草」も日記とともに脇町に遺る。彼女は地域文人のひとりとして、広汎な地域との文化的交流を持ち、そのネットワークは実に目を見張るものがある。多くの日記は、事実関係の記述に終始しているのに対し、この日記は、筆者が俳人であるだけに、心情の動きが細やかに書かれていて稀有な日記といえる。








◎棚橋久美子(たなはし くみこ)…1957年香川県生まれ。広島大学大学院文学研究科(博士課程)単位取得。広島安芸女子大学経営学部助教授。


ISBN4-7924-0502-5 (2001.2) A5 判 上製本 240頁 本体7200円
※上記のデータはいずれも本書刊行時のものです。