大阪の中世前期
河音能平著


一般的になじみがうすく、歴史像をとらえにくい面があった中世の大坂について、歴史認識の空白を埋めるのが本書である。地域の事例を前提としながら、中世社会成立に関する大きな見通しに立脚して叙述された重厚な内容をもち、また文化についても詳細な分析が加えられており、今日の文化の土壌を知る上でも興味深い内容となっている。



■本書の構成
第1章 中世渡辺津の形成過程―平安時代の難波
第2章 しだら神東上事件と摂関期の村落
第3章 東大寺領水無瀬庄の成立
第4章 中世前期大阪の荘園と公領
第1節 摂河泉の国衙/第2節 中世的荘園の成立/第3節 摂津国の荘園と公領/第4節 河内国の荘園と公領/第5節 和泉国の公領と荘園
第5章 平安末期和泉国谷川荘における大日如来像の造像
第6章 鎌倉時代の摂津国渡辺津
第7章 淀川にまたがった北摂国人一揆―摂州芥河氏と河州岡氏

附録1 十六・七世紀四天王寺舞楽の絵画史料
附録2 四天王寺雅亮会の成立




 ◎河音能平……1933年兵庫県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。大阪市立大学名誉教授。



ISBN4-7924-0512-2 (2002.4) 四六判 上製本 270頁 本体2800円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。