昭和の民俗と世相2
三村幸一が写した日本の風景
大阪歴史博物館・関西大学なにわ大阪研究センター編


晴れの日の人々へ向けられる迫力ある視点。文楽写真でも知られる三村幸一の遺した貴重なコレクションから厳選されたシリーズ第2弾。




■本書の構成

I 京都府
 
京の節分 大幣神事 祇園祭 六道珍皇寺盆迎え 左大文字送り火 太秦の牛祭 鞍馬の火祭 など

Ⅱ 奈良県

綱掛け・勧請縄 おんだ・御田植祭り 東大寺二月堂の修二会(お水取り) ノガミ行事 春日若宮おん祭 など

Ⅲ 滋賀県・福井県

勝部の火祭り 上砥山の山の神 老杉神社のオコナイ 下新川神社の鮨切り神事 金屋の千草盆 大津祭 水海の田楽能舞 高浜七年祭 など

Ⅳ 和歌山県・三重県

那智の扇祭り 安乗の年越し行事 菅島のしろんご祭り 佐八の鞨鼓踊り 吉原の天王祭 二木島祭 など

V 全国

川倉地蔵祭 大日堂舞楽 早池峰神楽 戸沢の藁馬引き 奥三河の花祭 大海の放下 川合の荒神神楽 用瀬の流し雛 山誉祭 八幡古表神社の傀儡舞 など

Ⅵ 生活の記録

飴細工 川での洗濯 子どもの遊び など


三村幸一が記録した昭和の風景……黒田一充





  1巻はこちらから
  昭和の民俗と世相1 三村幸一が写した大阪・兵庫



 ISBN978-4-7924-1083-4 C0039  (2018.12) A5判 上製本 280頁 本体2,800円

  
白眉の郷土文献

肥田晧三 (元関西大学教授)
 三村幸一氏は、文楽人形芝居を専門に撮影しておられる写真家だと、長年のあいだなんとはなしにそう思っていました。昭和三十年代から以後の、郷土の民俗行事と町の風俗を精力的に取材しておられたことを、このたびの写真集ではじめて知りました。そこに捉えられた、晴れの日と普段の暮らしに向ける三村さんの迫力ある視点、見事な作品群に驚きの眼を見張りました。

 今から六十年、五十年以前の我々の経てきた昭和の生活は、米寿の老人になった私には、実際に見聞した世界なので、めづらしいとか懐しいという感はそんなに無いのですが、一時代を切り取った光彩のある数々の構図を、さすがにと感慨をもって眺めました。ましてや、戦後生まれの読者諸氏にとっては、ここに写し取られたかけがえのない瞬間『昭和の民俗と世相』に、おそらく歴史の証言に接する思いをされるのではないでしょうか。後世に伝うべき必須の郷土文献の出版をよろこんでいます。
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。